武田薬品の「細胞封入デバイス」(出願番号:2019-525472)を読んでみました。細胞封入デバイス及びその製造方法について記載された特許です。
【発明の背景および解決しようとする課題】
・移植細胞を封入した細胞移植治療用デバイスは、低侵襲かつ簡便に体内の目的部位に移植細胞を移植でき、また移植細胞を体外に取り出す際に、デバイスごと移植細胞を確実かつ簡便に除去できるという利点がある。
・治療効果を高めるために、より大きな細胞塊をデバイス内に封入することが望ましい。しかし、移植部においてデバイス内の細胞に十分な酸素が供給されることが必要であり、封入される細胞塊が大きくなるほど、細胞塊の中心部で酸素の不足による壊死が生じやすくなる。酸素の供給を促進するために膜厚を薄くすると、今度は十分なデバイスの強度を維持するのが困難になる。
・移植部において細胞に十分な酸素が供給され、その結果、より大きな細胞塊を封入し得る細胞封入デバイスが必要とされている。
【解決手段】
・外殻の少なくとも一部が酸素透過性膜で形成され、内部に細胞が封入された複数のカプセル状構造体が、同一平面上の2次元方向に配列された細胞封入デバイスを提供する。
・本発明の細胞封入デバイスは、細胞を含んだ状態で体内に移植、もしくは移植後に細胞を封入することで、細胞医薬として有用である。特に、ホルモン及びサイトカインなどの生理活性分子を分泌する細胞を含む医薬として、糖尿病等の治療に使用することができる。

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