武田薬品の「造血前駆細胞マーカー」を読んでみた

武田薬品の「造血前駆細胞マーカー」(出願番号:2019-514588)を読んでみました。CD4/CD8 ダブルポジティブ細胞を製造する方法について記載された特許です。

【発明の背景および解決しようとする課題】
・T細胞は、細菌やウイルスなどの外来の病原体や癌細胞などの異常な細胞に対する免疫システムにおいて中心的な役割を果たしている。なかでも、CD8SP細胞は、異物である該抗原ペプチドを提示する細胞に対して、特異的に細胞傷害活性を発揮する。
・T細胞の補充や再生をすることができれば、腫瘍、感染症、自己免疫不全等の疾患の予防又は治療などに極めて有効な手段となる。そのため、iPS細胞から造血前駆細胞を誘導する方法や、CD4/CD8DP細胞を誘導する方法などにより、造血前駆細胞やT細胞系列の細胞を得る試みが行われている。
・安定的に細胞治療を提供するため、より高濃度のT細胞系列の細胞を大量に得られる細胞の製造方法が必要とされている。

【解決手段】
・1種以上のHPCの表面に発現するマーカー(HPCマーカー)を用いることで、CD8ポジティブ細胞をより多く得ることができ、細胞集団内により高い濃度で得ることができた。この製造方法により、収率のバラツキが少なく、CD8ポジティブ細胞(CD4/CD8DP細胞)を安定して提供する。

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レバレッジ特許翻訳講座、10期生。2020年10月より講座を開始しました。 海外在住12年間。小学生と保育園の2人の子どもがいるワーキングマザーです。 「勉強」「育児」「仕事」「家事」のバランスを考えながら日英特許翻訳者を目指します。